健診でコレステロールが高いと言われました。高脂血症と言われましたがお薬を飲まないといけないのでしょうか?

定期健康診断やドックなどで高脂血症を指摘される方はかなり多いと思いますが、通常自覚症状は殆どなく、また日常生活に直ちに支障をきたすこともないことから治療はなおざりにされがちです。

日本人は欧米人に比べ、高脂血症が原因となる病気、すなわち動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)の発症頻度は低いと言われており、血漿コレステロール値が少し高いからと言って必ずしも直ちに薬物療法を開始すべきと言うわけではありません。

しかしながら日本人を対象とした大規模臨床試験においても諸外国と同様で、コレステロール値が高ければ高いほど心筋梗塞の発症頻度が高く、逆に低いほど低下することが明らかになっており、一般的な高脂血症対策はいずれにせよ必要と考えられます。

日常の診療においては、ほぼ同じコレステロール値であっても、年齢、性別、高血圧や糖尿病の有無、狭心症などの動脈硬化性疾患が合併しているか否かなど、個々の患者様の状況により画一的ではない、各人の状況に応じたきめ細かな対策、いわゆるテーラーメイドの診断治療が必要と考えられ、実施されるようになってきました。

一方家庭でできる高脂血症対策を挙げるとすればライフスタイルの改善、まずは食事療法と運動療法。さらに一歩進んで動脈硬化を予防する事まで考えれば、それに加えて禁煙及び適正体重の維持が重要でしょう。

簡単には総摂取エネルギーの適正化(食べ過ぎないこと)、及び有酸素運動の実施。一日一回30分程度の早歩きを毎日することです。 詳しくはお近くの医療機関や掛かりつけ医に一度相談されるのが適切です。

長寿の昨今、自分の健康は自分の力で維持し、楽しく健やかな人生を送りたいものです。